-2日目- 平穏な日々
ここは、ガルム。 数ある世界の中の一つだ。
人口は少ないが、その分人付き合いが楽でいい。 もっとも、中には会いたくない奴もいるんだろうが、たいして気にもならない。 「・・・・・・・」 ただボーっと空を見つめてみる、こんな何気ない時間を過ごすのが好きだ。 耳を澄ませば、風のざわめきや鳥の声が聞こえてくる。 こんな時間も俺にとっては大切だ。 「お、ウィッス。なにしてんだそんなとこで」 ・・・・聞きなれた声が半ば眠りかけた俺の意識を現実に戻す。 「なんだキースか、今心の洗濯中だ」 「ハハ、少しは汚れがとれたか?」 こいつは、「キース」 俺の友人の中でも古株にあたる。 ブロンドの髪をなびかせて一見華奢な印象のこいつは、弓の名手だ。 彼曰く、「俺に射抜けないものはない。」らしい ほぼ間違いでもないところが恐ろしい・・・。 こいつの標的になったモンスターが哀れにすら思える時もあるってもんだ。 「あれ?ファルコンはどうした?」 「ん、たぶんどっかそこらへんを飛び回ってるんじゃねーかな」 「ハハ、翼をもってるってのは自由でいいやね」 ファルコンはキースの相棒の鷹のことだ。 以前森でモンスターと間違えて打ち落として怪我をさせてしまったらしく、治るまで看病してやったらなついたらしい。 今では軽い意思疎通まで可能だそうな、羨ましいこった。 「ん~・・・どうしたもんかね」 「ん?なんか悩みでもあるのかウィル?」 「いやね・・・・・。」 「一日一人ペースじゃねーと無理だな、と」 「????なんだそれ」 「いや、天の 頭をかしげるキースをよそ目に、またゴロリと寝転ぶ。 今日もガルムの空は透き通るほどに青い。 平穏な日々ってやつだ。
by will-gurakoro
| 2006-04-19 00:24
| 小説
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