うぃるるん滞在記

-3日目- とある夕暮れ

空が紅く染まる頃、太陽が沈んでゆく頃、長い一日が終わる。
一日の終わりはいつだって切なくて、明日に起こる出来事のひと欠片すら見えない。

「くぁ・・・・・。最近眠くなるのが早いな・・・疲れてるんだな」
宿に戻る途中でそんな独り言をつぶやきながら歩いている。

「旅館イフリートへようこそ!」
もう日も暮れ始めたってのに明るい笑顔で受付のお嬢さんが笑いかけてくる。
「ご宿泊ですか?」
「ん~・・・と、そうだな、君の部屋はどこ?」
「またのご来店をお待ちしております」
・・・・・ずいぶん切り返しが早いな・・・・・、まぁ会うたびに言ってりゃそうなるか。
「悪かった、冗談だよ。 ウィルって名前で予約してあるはずだけど」
「はい、承っております。 2階の205号室ですね、ごゆっくりお休みください」

軽く右手で受け取り、階段のほうへ向かって歩き出した。
ふと後ろを振り返ってみれば、さっきのお嬢さんが笑顔でこっちを見送っている。
あれが本気の笑顔ならこっちとしても嬉しいんだがな・・・・。

ふと目を部屋の隅にやると、見覚えのある男が座っていた。

b0080564_031591.jpg


身に着けてる物のせいもあるが・・・・起きてるか寝てるかよくわからんやつだ・・・。
とりあえず声を掛けてみる
「よぉ、カル。 お前もこの旅館だったのか?」
「・・・・・ん?ウィルか、どうした?」
「いや、お前も今日この旅館に泊まるのか?」
「お・・・・?おーそうそう、部屋空いてたからな、まぁ適当に」

この独特のオーラを放ってる男は、「カール・ジュリアヌス・ズポポタマスⅢ世

・・・・ゴメン、冗談だって。 ただの「カール」だ。
カールって呼ぶとどっかのお菓子を思い出すとかよくわからんことを言って怒り出すから
通称は「カル」で通っている。

こいつも古くからの友人の一人だが、あまり一緒に行動をともにすることはない。
気まぐれというか風来坊というか、気がつくといなくなっている、といったことも多々ある
特にやらなくてもいいことはやらない、といった精神の持ち主で、初対面では
寡黙な印象を受ける人も多いだろう。

しかし、こいつの戦闘能力は並の比ではない。
自らの全魔力を拳に乗せる術をもっているこいつは、冗談じゃなく「一撃必殺」が可能だ。
全力を出しすぎると3分ほど体がまともに動けなくなるという副作用がネックだ。
・・・・・ウル○ラマンかお前は。

「ん~で、部屋もとったのにこんなとこでなにしてんだ?カル」
「・・・・・・・・」
「カル?」
「ZZZzzz・・・・・」
まぁ・・・・こういう奴だ、付き合いも長いからな、こんなことで驚いてたら体が持ちやしない。

「やれやれ・・・・風邪ひくなよ」
そう一言だけ残して自分の部屋に向かう。 部屋まで連れて行かない所に俺の優しさが溢れてるな、そう思わないか?

「ふぁ~~ぁ、俺も寝るとするか」
無造作に倒れこむと、布団の柔らかさが疲れた体に心地良い。
ちょうど外を見ると太陽も地平線に消えていくところだった。

無数に過ぎ行く日々、迎える日々。 そんな日々のとある夕暮れ。


「むにゃむにゃ・・・、うぅ・・・う゛ぅ・・・・まだ二人目・・・・」
[PR]
by will-gurakoro | 2006-04-20 01:15 | 小説
<< ちょいと休止 -2日目- 平穏な日々 >>



妄想100%の小説をメインに細々と・・・・
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31
カテゴリ
以前の記事
フォロー中のブログ
メモ帳
最新のトラックバック
ライフログ
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧